29日5校時に行われた体育館での活動風景を紹介します。1階卓球場では、2年生の男子がバドミントンの競技の特性と体の使い方について学習しました。学習カードに、自分の考えた「得点するための必勝パターン」を模索する取組をしました。学習カードには「相手を動かし、疲れさせてチャンスを自分で作り出す。ドライブかクリアかヘアピンなどを見定め、相手が狙っているところへ向かい、ラケットを構え、相手にシャトルを返す。」など具体的で有効的な作戦を立てた生徒もいました。体育技能に関する副教材とタブレットを活用し、自分の考えを練り上げて、仲間と共有することにより、競技についてより深く学ぶことができました。

 

 

 1階格技場では、2年生女子の柔道の授業が行われており、タブレットで自分たちの動作を撮影しあいながら、その映像をもとに話合いをしました。グループでは、「体を密着させるのはなぜ必要なのか」「体の使い方の原理原則」について探求しました。適宜、映像を確認しながら相談し、モデルの生徒が実際に組み合って様子を確認しました。3つのグループでは各々課題が与えられ、①安全について②上半身の正しい使い方について③下半身の上手な使い方について考え、発表し、共有しました。先生たちは各グループをまわり、話合いの様子を丁寧に聞き取っていました。先生からの具体的なアドバイスをもとに話合いはさらに深まり、自他共に技術の向上を図りました。

 

 

 体育館2階アリーナでは、1年生が福祉体験学習の一貫として「車いすボッチャ」を楽しみました。ボッチャは、イタリア語で「ボール」という意味で、重度脳性麻痺者、重度四肢機能障害のあるアスリートのために考案された競技です。今から35年前にパラリンピックの正式競技となり、パラリンピック特有の競技として、高い戦略性と正確性が求められます。

 本時では、競技者が車いすに座り、ボールを投げます。補助者が車いすをしっかりと支え、競技者のアシスタントをしました。上半身のみで、ボールを扱うため、コントロールが非常にデリケートとなり、ジャックボール(目標となる白い球)に近づけることは、とても難しそうでした。競技の感想を子どもたちに聞いてみると、「軽く投げたのに思っていたよりも転がってしまった。」「うまく投げられなかったので、もう1球投げたい。」「もし重度の障害があったらどのようにコントロールするんだろう。」などの声が寄せられました。普段は馴染みがない競技ですが、障害のあるなしにかかわらず楽しめる競技性から、試合は大いに盛り上がり、白熱した展開となりました。1年生は、ボッチャの競技を通し、スポーツの素晴らしさと福祉の大切さについて考えを深めることができました。

 

 

 2024年にフランスのパリで行われるパラリンピックまであと272日です。パラリンピックで様々な競技を見た際には、今日のパラスポーツ体験学習から、今までと違った視点で競技を観られることでしょう。